各論4(争点整理手続き等)
1 準備的口頭弁論について
準備的口頭弁論の規律については,維持することでよいか。
【現行民事訴訟法】
第三節 争点及び証拠の整理手続
第一款 準備的口頭弁論
(準備的口頭弁論の開始)
第164条
裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、この款に定めるところにより、準備的口頭弁論を行うことができる。
(証明すべき事実の確認等)
第165条
1.裁判所は、準備的口頭弁論を終了するに当たり、その後の証拠調べにより証明すべき事実を当事者との間で確認するものとする。
2.裁判長は、相当と認めるときは、準備的口頭弁論を終了するに当たり、当事者に準備的口頭弁論における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を提出させることができる。
(当事者の不出頭等による終了)
第166条
当事者が期日に出頭せず、又は第百六十二条の規定により定められた期間内に準備書面の提出若しくは証拠の申出をしないときは、裁判所は、準備的口頭弁論を終了することができる。
(準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)
第167条
準備的口頭弁論の終了後に攻撃又は防御の方法を提出した当事者は、相手方の求めがあるときは、相手方に対し、準備的口頭弁論の終了前にこれを提出することができなかった理由を説明しなければならない。
準備的口頭弁論期日も,争点整理手続の1つですが,実務上あまり利用はされていないように思われます。準備的口頭弁論は,争点及び証拠の整理を口頭弁論期日において行うものであり,その法的性質は口頭弁論にほかならないから,口頭弁論に関する規律が適用されます。そして,IT化された民事訴訟において口頭弁論期日もウェブ会議等を利用して両当事者の現実の出頭を要しないことを許容するのであれば,準備的口頭弁論期日についても同様にウェブ会議等の利用が認められることになるので,特段の手当ては必要は無いとされています。
準備的口頭弁論期日は,公開主義・口頭主義・直接主義のもと争点・証拠の整理を口頭弁論期日において行うことを目的とした仕組みであることに鑑みれば,IT化された民事訴訟においても引き続き,公開主義。口頭主義,直接主義への配慮は求められるものと思われます。