各論4(争点整理手続き等)
3 進行協議期日について
(1)進行協議期日について,一方当事者出頭要件を廃止(規則第96条第1項 ただし書を削除)することについて,どのように考えるべきか。
(2)電話会議システム等を利用した進行協議期日において,訴えの取下げ並び に請求の放棄及び認諾をすることができない旨の規定を削除(規則第96条 第3項の規律を廃止)することについて,どのように考えるべきか。
【現行民事訴訟規則】
第四節 進行協議期日
(進行協議期日)
第95条
1.裁判所は、口頭弁論の期日外において、その審理を充実させることを目的として、当事者双方が立ち会うことができる進行協議期日を指定することができる。この期日においては、裁判所及び当事者は、口頭弁論における証拠調べと争点との関係の確認その他訴訟の進行に関し必要な事項についての協議を行うものとする。
2.訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾は、進行協議期日においてもすることができる。
3.法第二百六十一条(訴えの取下げ)第四項及び第五項の規定は、前項の訴えの取下げについて準用する。
(音声の送受信による通話の方法による進行協議期日)
第96条
1.裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、進行協議期日における手続を行うことができる。ただし、当事者の一方がその期日に出頭した場合に限る。
2.進行協議期日に出頭しないで前項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
3.進行協議期日においては、前項の当事者は、前条(進行協議期日)第二項の規定にかかわらず、訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾をすることができない。
4.第八十八条(弁論準備手続調書等)第二項の規定は、第一項の手続を行う場合について準用する。
(裁判所外における進行協議期日)
第97条
裁判所は、相当と認めるときは、裁判所外において進行協議期日における手続を行うことができる。
(受命裁判官による進行協議期日)
第98条 裁判所は、受命裁判官に進行協議期日における手続を行わせることができる。
民事訴訟規則95条は、裁判所は、口頭弁論の期日外において、その審理を充実させることを目的として、当事者双方が立ち会うことができる進行協議期日を指定することができ、この進行協議期日において、裁判所及び当事者は、口頭弁論における証拠調べと争点との関係の確認その他訴訟の進行に関し必要な事項についての協議を行うとして「進行協議期日」について定めています。
そして現行民事訴訟規則においても、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって進行協議期日における手続を行うことができるとされていますが(96条1項)、当事者の一方が現実に裁判所に出頭していることが必要とされています。
そこでIT化された民事訴訟手続においては、弁論準備手続などと同様に双方不出頭の進行協議期日を許容することが提案されています。
また、進行協議期日においても訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾をすることができるのが原則ですが(95条2項)、現行民事訴訟規則では、電話会議等を利用して進行協議期日を行う場合には,当該期日に現実に出頭していない当事者は,訴えの取下げ並びに請求の放棄及び認諾をすることができないこととされています(規則96条3項)。これはかつて電話会議等を利用した弁論準備手続期日においては、訴えの取り下げ等はできないとされていたことに合わせたものですが、既に平成15年民事訴訟法改正により、電話会議等を利用した弁論準備手続期日においても訴えの取下げ等をすることが可能とされています。そこで、電話会議等を利用した進行協議期日においても訴えの訴えの取り下げ等をできるようにすることが提案されています。