【民事訴訟法(IT化関係)部会】第1回会議(令和2年6月19日開催):オンライン申立の義務化等

 法務省法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会のHPに令和2年6月19日開催の第1回会議

の議題・議事要旨・資料等が掲載されました。第1部会では「オンライン申立ての義務化等」及び「訴訟記録の電子化」について審議されています。

 

【資料】

部会資料1 民事訴訟法(IT化関係)の改正における検討事項の例
部会資料2 総論(オンライン申立ての義務化及び訴訟記録の電子化)
参考資料1 民事裁判手続等IT化研究会報告書-民事裁判手続のIT化の実現に向けて-
参考資料2 裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ-「3つのe」の実現に向けて-
参考資料3 民事司法制度改革の推進について
参考資料4 民事裁判手続のIT化における本人サポートに関する基本方針
参考資料5 民事裁判手続のIT化における本人訴訟の支援に関する声明
会議用資料 法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会委員等名簿

 

 

【コメント】

 オンライン申立については利便性が高く、かつ安全で、申立費用等も軽減するなどインセンティブを与えることで推進すべきであり、システムがどのようなものになるかも判明しない段階から義務化だけを決めることには疑問があります。また弁護士等の訴訟代理人が行う申立についてのみ(先行的に)義務化をするという制度設計も考えられているようですが、依頼者である訴訟当事者本人は提訴等を書面により行うことができるにも関わらず、訴訟代理人の訴訟行為のみをオンライン申立に制限することができるのか訴訟行為の代理権の制限について理論的な説明が可能なのか、弁護士が書面を作成し訴訟当事者本人名義で提出することも可能となることも可能ではないかという点も疑問があります。ほとんどの弁護士が自然にオンライン申立を利用していくシステム構築が求められると思われます。なお社会的耳目を集める集団訴訟などで伝統的に行われてきた提訴行動について変容が生じる可能性もあります。