【民事訴訟法(IT化関係)部会】第5回会議(令和2年11月6日開催):簡易裁判所の手続・訴訟記録の閲覧等及びその制限・IT化に伴う書記官事務の見直し・民事裁判手続のIT化に伴う訴訟費用の範囲の整理・オンライン申立て一本化についてについて

 法務省法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会HPに令和2年11月6日開催の民事訴訟法(IT化関係)部会第5回会議議題・議事要旨・資料等が掲載されました。第5回部会では

簡易裁判所の手続

・訴訟記録の閲覧等及びその制限

・IT化に伴う書記官事務の見直し

・民事裁判手続のIT化に伴う訴訟費用の範囲の整理

・オンライン申立て一本化

 

 

 

が審議されています。

【資料】

 

 

部会資料7 訴訟記録の閲覧等及びその制限,IT化に伴う書記官事務の見直し
部会資料8 民事裁判手続のIT化に伴う訴訟費用の範囲の整理
部会資料9 特に検討すべき項目1(オンライン申立て一本化,送達)
会議用資料 法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会委員等名簿

 

【コメント】

部会資料7では、閲覧等の制限に関連して「秘密保護のための閲覧等の制限」が検討されています。もっとも、訴訟当事者以外の第三者の閲覧制限と、訴訟の当事者(相手方)自体が訴訟手続において知るに至った証拠資料等を訴訟追行目的以外に利用してはならないと する制限を課すことは同列に制限すべきではないと考えます。訴訟で知り得た事項を、同種他事件において活用したり、同種他事件に取り組む弁護士(弁護団・研究会)と情報共有をすることは、消費者被害救済などの場面では極めて有用です。また、訴訟当事者が訴訟外で世論に訴えるなど発信をする場面もあり得ます。そして原則は裁判は公開です。悪質商法のマニュアルなども「営業秘密」などとして制限がなされる懸念があります。

 仮に何らかの規制を設けるとしても、第三者に対する閲覧制限が比較的緩やかな審査でなされることとの対比で、訴訟当事者に対する規制については極めて慎重な手続において厳格な判断がなされるべきですし、不服申立の機会も当然与えられるべきです。