【改正民訴】書面による準備手続(175条以下)

新民訴175条以下

(書面による準備手続の開始)

第175条

裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)

(書面による準備手続の方法等)

第176条

1.裁判長は、書面による準備手続を行う場合には、第百六十二条第一項に規定する期間を定めなければならない。

2.裁判所は、書面による準備手続を行う場合において、必要があると認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、争点及び証拠の整理に関する事項その他口頭弁論の準備のため必要な事項について、当事者双方と協議をすることができる。この場合においては、協議の結果を裁判所書記官に記録させることができる。

3.第百四十九条、第百五十条及び第百六十五第二項の規定は、書面による準備手続について準用する。

(受命裁判官による書面による準備手続)

第176 条の2

1.裁判所は、受命裁判官に書面による準備手続を行わせることができる。

2.書面による準備手続を受命裁判官が行う場合には、前条の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行 う 。ただし、同条第三項において準用する第百五十条の規定によ る異議についての裁判は、受訴裁判所がする。

 

【改正前民訴法】

第三款 書面による準備手続

(書面による準備手続の開始)

第175条

 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)に付することができる。

(書面による準備手続の方法等)

第176条
1.書面による準備手続は、裁判長が行う。ただし、高等裁判所においては、受命裁判官にこれを行わせることができる。
2. 裁判長又は高等裁判所における受命裁判官(次項において「裁判長等」という。)は、第百六十二条に規定する期間を定めなければならない。
3. 裁判長等は、必要があると認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、争点及び証拠の整理に関する事項その他口頭弁論の準備のため必要な事項について、当事者双方と協議をすることができる。この場合においては、協議の結果を裁判所書記官に記録させることができる。

4.第百四十九条(第二項を除く。)、第百五十条及び第百六十五条第二項の規定は、書面による準備手続について準用する。

 

  【コメント】

1.書面による準備手続について遠隔地要件が廃止されます(175条)。

2.受命裁判官により行うことができます」(旧176条1項の削除・176条の2)。

3.当事者双方不出頭による電話会議等による協議の規律も維持されます(176条2項)。

  

【中間試案】 第7 争点整理手続等 2 書面による準備手続

【部会資料20】第1 争点整理手続等 3 書面による準備手続

【部会資料23】第4 争点整理手続等 2 書面による準備手続

【部会資料29】第6 争点整理手続等 2 書面による準備手続

【部会資料31】第6 争点整理手続等 2 書面による準備手続

【部会資料32】第5 争点整理手続等 2 書面による準備手続 

【要綱案】第5 争点整理手続等 2 書面による準備手続