【改正民訴】民事訴訟費用等に関する法律の見直し

 民事訴訟の費用については「民事訴訟費用等に関する法律」が定めています。改正前の実務では訴訟提起時に訴状に印紙を貼付し、また、郵券を予納します。もっとも郵券については電子納付も行われています。

 この民事訴訟費用等に関する法律を見直し、印紙と郵券に区分せずに郵便費用も手数料に一本化し、納める方法も電子納付に一本化することとなります。コスト削減と国民の裁判利用を利便化するためにIT化がなされる以上は、この手数料は大幅に軽減されることが望まれます(増額となるのでは本末転倒です)。

 

【要綱案】第2部 民事訴訟費用等に関する法律の見直し

 

第1 手数料の電子納付への一本化

 民事訴訟に関する手続の手数料の納付方法について、次のような規律を設けるものとする。

 手数料は、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法であって最高裁判所規則で定めるものをもって納めなければならない。ただし、申立てを書面をもってすることができる場合であって、やむを得ない事由があるときは、訴状その他の申立書又は申立ての趣意を記載した調書に収入印紙を貼って納めることができる。

第2 郵便費用の手数料への一本化

 民事訴訟に関する手続においては、郵便費用の予納の制度を廃止し、別途、郵便費用に相当する所要の金額を、手数料として徴収する規律を設ける。

第3 過納手数料の還付等の書記官権限化

 過納手数料の還付等(費用法第9条)並びに証人等の旅費、日当及び宿泊料の支給(費用法第21条から第24条まで)については、裁判所の権限とする現行の規律を改め、裁判所書記官の権限とするものとするとともに、所要の整備を行うものとする。