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【原発避難集団訴訟】さいたま地裁令和4年4月20日のいびつさ

 福島原発事故集団訴訟に関し,さいたま地裁令和4年4月20日判決は,平成14年7月の地震調査研究推進本部の「長期評価」について規制権限行使に係る判断を基礎づけ得る信頼性が認められ,福島原発の敷地高を超える津波の到来が予見でき,平成18年末には技術基準適合命令の発出等により東電に防護措置に着手させることができたとしました。

 しかし,試算津波と現実に到来した津波は規模や来襲方角が大きく異なる,防潮堤による措置と重ねて水密化措置を行うべきであるとはいえない,防潮堤等が設置されるまでの措置として水密化だけをしても適切な防護措置ではあるとはいえないとして,規制権限不行使の違法を否定し国の責任を認めませんでした。

 「長期評価」の信頼性を肯定し,規制権限行使を基礎付けるとまでしながら,回避ができなかったとする判断はいびつで,そうであれば,原発を動かすこと自体の妥当性が問われかねません。

 現在,最高裁では国の責任をめぐって口頭弁論が行われています。このような中で,あくまで国の責任を否定した,さいたま地裁令和4年4月20日判決は,きわめていびつなものです。

 

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【NHK】原発事故 東電に賠償命令 国への訴えは退ける さいたま地裁

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