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【厚労省】日常生活における屋外と、小児のマスク着用について

 厚労大臣は令和4年5月20日会見で下記のように述べています。

 

 記者:昨晩、マスクの着用につきまして有識者会議から新たな見解が示されました。厚労省の受け止めと今後の対応、とりわけ、情報発信についてはどのように尽くされていくのか、お聞かせ下さい。

 大臣:新型コロナの感染経路は、飛沫、エアロゾルの吸入、接触感染等でありまして、感染防止のためには、三密の回避や換気などに加えまして、マスクの着用が極めて重要でありまして、会話をする際などにはマスクを着用していただくように、様々な場面で国民の皆様にお願いを申し上げています。
 一方で、人との距離が十分取れれば、屋外でマスクの着用は必ずしも必要ではなく、特に気温、湿度が高いと熱中症のリスクが高くなることから、屋外で人との距離が十分ある場合、具体的には、少なくとも2m以上の距離を確保できている場合には、マスクを外すことを推奨してきました。
 また、子どものマスクの着用については、2歳未満の乳幼児は、マスク着用を推奨しない、2歳以上の就学前の子どもは、本人の体調がすぐれず持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理に着用させる必要はなく、マスクを着用する場合は、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意した上で着用をしていただくこととしてきました。
 その上で、2歳以上の就学前の子どもは、オミクロン株への対応として、保育所等において、発育状況等からマスク着用が無理なく可能と判断される児童については、可能な範囲で、一時的にマスク着用を奨めることといたしております。これは2月からのオミクロン株への対応として基本的対処方針を改定したものです。
 昨日のアドバイザリーボードにおいて、専門家から提出された資料におきましては、これまで周知してきた屋外でのマスク着用について、改めて運用の確認を行うと共に、ですから、ここは基本的には意見は出ていません。オミクロン株の感染拡大によって一時的に勧めることとされた子どものマスク着用について、オミクロン株の感染拡大前の考え方に戻していくことを考慮する時期にある等の考え方が整理されたと認識しています。
 厚生労働省としては、今回専門家から示された考え方、こうした今、申し上げた考え方を踏まえて、マスクの着用について、必要な対応を検討していくと共に、適切に情報発信を行ってまいりたいと思います。
 ご指摘のあった情報発信については、例えば、子どものマスク着用だとか、屋外でのマスク着用、十分に国民に、政府からのメッセージが伝わっていないのではないかというご指摘もありますから、しっかりとその点については伝えていく必要があると思いますし、オミクロン株への対応としてとられた指摘事項については、改めて適切に情報発信を行う以前の問題として、専門家の意見を踏まえて適切な対応を検討していきたいと思います。

 記者:マスクの着用についてですが、屋外で2mの距離がとれないような、そしてほとんど会話をしないような、会話があっても少ないような状況については、マスクは不要だという見解が専門家の方から出されていますが、そういうときの対応についてはどのようにお考えですか。

 大臣:従来からそのような場合は外してよいという立場でありますが、ここのところは明確でなかったのではないかというご意見があることは認識していますが、少なくとも、会話がほとんどないところで、屋外で、そして身体的な距離が確保できない場合には、外してよいということを明確化するということです。

 記者:ほとんどの国民は、そうしたときでもいつでもマスクということで、外で歩いているときでもマスクをしていたのですが、それはメッセージとして間違っていたということですか。

 大臣:メッセージとしては、私たちはそのように思っています。ですが、国民の受け止め方を見ると、屋外でもマスクをされている方が多いということについては、我々の運用のルールについて正しいご認識がないのだとすれば、そこはきっちりと伝えていかなければいけないと考えています。
 ですから、今は屋外で距離を確保できない場合のご質問でありましたが、距離が確保できている場合でも、今は外さずに、一人で朝散歩や早歩きをしておられる方がいますが、そういう方についても、ルールから言えば当然外してよいということを申し上げているわけです。
 一番わかりにくいケースとして、今ご指摘のあった、屋外で、そして身体的な距離が確保できない場合で、会話をほとんど行わない場合、こうした場合は、元々外してよいという考え方ではありましたが、その点については、十分に国民の皆さんに伝わっていないのではないかという点については、しっかりと、もう少しご説明をさせていただく必要があると思っていまして、今の発言について、特に従来から政府の方針が異なっているという認識はありません。

 

 この会見の前日の令和4年5月19日開催の第84回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて、和田先生提出資料(会議後セット版)が提出されています。以下貼り付けます。

 

 2022 年 5 月 19 日阿南英明、今村顕史、岡部信彦、押谷仁、尾身茂、釜萢敏、鈴木基、 舘田一博、中島一敏、前田秀雄、脇田隆字、和田耕治 岡田賢司、谷口清州、多屋馨子、峯眞人、森内浩幸

 日常生活における屋外と、小児のマスク着用について

○インフルエンザなどの呼吸器感染症対策として、感染者が不織布製マスク(以下、マスク)を 着用することで、咳・くしゃみなどの症状のある人や会話の際に飛沫やエアロゾルの発散を 低減させることを目的として推奨された。また、限界はあるものの飛沫やエアロゾルを吸い込む ことを予防する効果もある。

○新型コロナウイルス感染症では、発症前あるいは無症状の人からの感染対策が重要である ことが明らかとなり、さらに感染力が高いことや感染した場合の影響が大きかったことから、 症状の有無に関わらず公共の場や職場などでのマスク着用が呼びかけられてきた。

〇ワクチン接種が進み、また病原性がより低いオミクロン株が流行株の多くを占めるようになり これまでの対策を緩和すべきという社会的要請も高まってきている。しかし、オミクロン株の伝 播力は、ウイルスの特性からも従来株よりも高いため、マスク着用を含めた基本的な感染対策 は重要である。

○これまでも、人との距離が十分確保できれば、屋外でマスクの着用は必ずしも必要でない旨 を示すとともに、特に気温、湿度が高い夏期には熱中症の予防の観点からも周りの人との距離 が 確 保 で き る と こ ろ で は マ ス ク を 外 す こ と を 推 奨 し て き た 。 ( 環 境 省 ・ 厚 生 労 働 省 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000798079.pdf 令和 3 年 6 月)

○ここでは、日常生活において、空気の循環により感染リスクが室内に比べて低めとなる屋外 でのマスク着用について改めて確認する。また、オミクロン株の感染拡大によって一時的にマス ク着用の必要性が強化された小児におけるマスク着用について、考え方を整理する。

1.屋外でのマスク着用について

○屋外で周囲の人と距離が十分に確保できる、または、家族のような一緒に過ごすことが多い 間柄の人たちだけであればマスクの着用は、引き続き必要ではないと考えられる(例えば公園 での散歩やランニング、自転車などの移動など)。

○屋外で周囲との距離が十分に確保できない場面でも、周囲で会話が少ない(又はほとんど ない)ようであれば、これまでの考え方どおり、マスク着用は必ずしも必要ないと考えられる(例 えば徒歩での移動において)。多数の人が利用する公共交通機関での通勤・通学については 引き続きマスクを着用する。

○屋外であっても人混みや会話をするような場面がありえる際はマスクを持参して、会話の際 には適宜マスクを着用する。また、屋内への訪問があればマスクを持参するようにし、屋内にて マスクを着用する。

○新型コロナウイルス感染症においてもおこりえる症状(鼻水、頭痛、喉の痛み、発熱、咳など) があれば、まず外出を控えていただくことが重要。しかし、こうした症状があっても日常生活で の必要物品の買い物などやむを得ない外出をする場合は、屋外でもマスク着用は必要である。

2.小児のマスク着用について

○オミクロン株の特徴が判明しない中で、小児の感染がこれまでよりも多く確認されていたこ とを踏まえ、2022 年2月の基本的対処方針の改定において、保育所、認定こども園等におい ては、2歳以上の未就学児についても、「発育状況等からマスクの着用が無理なく可能と判断される児童については 、可 能 な 範 囲 で 、一 時 的 に 、マ ス ク 着 用 を 奨 め る 。 」 (https://corona.go.jp/emergency/)とされた。

○しかしながら、オミクロン株の特徴も判明しつつあり、新型コロナウイルスへの対応が長期化 する中で、マスク着用により、熱中症のリスクや、表情が見えにくくなることによる影響も懸念さ れており、従来の考え方(2歳以上の未就学児については、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させない)に戻していくことを考慮する時期にあると考えられる。

○一方で、当面は、小児での感染例は続き得ることから、施設内で感染者がでている、または体調不良者が複数いる場合などには、一時的にマスク着用をすることは考えられるが、長期化 しないようにする留意する必要がある。

○なお、2歳以上の未就学児以外にも、小学校などにおいて、これまでの考え方を明確化し、次のような対応が考えられる。 ・熱中症リスクが高い場合には、登下校時にマスクを外すよう指導。ただし、十分な距離を 確保し、会話を控えること、公共交通機関を利用する場合はマスクを着用すること等について 指導することは必要。

・屋外の運動場やプールでの体育の授業や休憩時間における運動遊び(鬼ごっこなど密にならない外遊びなど)においてもマスクの着用は不要とする。その際、十分な身体的距離をとる ことや体調不良の者が参加しないように確認することなどは必要である。

以  上

 

  これまでの見解を変えたものではなく、前からそのように情報発信してきましたという立場の様です