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【改正消費者契約法】 契約前に目的物の現状を変更し、原状回復を著しく困難に(4条3項9号)

改正消契法

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

第4条3項

一ないし八 <略>

九 当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部若しくは一部を実施し、又は当該消費者契約の目的物の現状を変更し、その実施又は変更前の原状の回復を著しく困難にすること。

 

改正前消契法

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第4条
1 <略>
2 <略>
 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一ないし六 <略>
 当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部又は一部を実施し、その実施前の原状の回復を著しく困難にすること。
八以下<略>
【コメント】
 改正消契法4条3項9号は,改正前消契法4条3項7号に,「契約前に目的物の現状を変更し、原状回復を著しく困難に」し,困惑をさせた場合についても取消ができる旨を追加しています。水回り修理や屋根の補修などレスキュー型の消費者トラブルの中には,このような類型もあり得るかもしれません(もっとも,「義務の内容の全部又は一部の実施」でカバーされているとも思われます)。