【原発避難者訴訟】新聞各紙社説と神戸新聞6.18「正平調」

【朝日新聞】原発事故で国を免責 「想定外」に逃げ込む理不尽

【東京新聞】原発避難者訴訟 納得しがたい判断だ

【神戸新聞】原発最高裁判決/誰が安全の責任負うのか

【産経新聞】最高裁の損賠判断 国の原発責任はなお重い

【日本経済新聞】原発事故で国が果たす使命

【毎日新聞】原発事故の最高裁判決 国の免罪符にはならない

【読売新聞】原発避難者訴訟 巨大津波は想定外と認定した

 

神戸新聞令和4年6月18日正平調を引用させて頂きます。

 

 福島第1原発事故で野菜の出荷停止が決まった翌日のことだった。18歳から農業一筋に生きてきた64歳の男性が自ら命を絶った。「農業、継がせなかったらよかったな」と息子に言葉を残して◆翌月、酪農家の55歳の男性も命を絶った。「原発さえなければ。こういう形になり、すいませんでした」と小屋の壁にチョークで書き残して◆途方もない理不尽が、生きる力の根っこを奪う。農業者でなくても、すべての人生はその土地と深く結びついている。人間関係、学校、仕事、健康な暮らし。平凡な日常を失った避難者の無念と怒りは、自殺した男性たちと地続きに違いない◆原発事故で全国に散った避難者が国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟で、最高裁はきのう、国の責任を認めなかった。国の責任を認める高裁判決が相次いでいたから耳を疑った。知見が定まらないとき、最悪の事態に備える責任が国に「ない」のなら、国民は誰を信じればいいのか◆数年前、兵庫訴訟の原告が駅前で「原発事故を覚えていますか」と問いかけるのを聞いた。私たちの無関心を鋭くえぐる言葉だった◆原発事故の避難者は現在も3万人近い。土地を、古里を、放射能の心配などなかった暮らしを返せ。彼らの痛憤を、わが身に重ねたい。2022・6・18