ブラウンズフェリー火災事故に関するオークリッジ国立研究所の報告書:NUREG/CR-2182

 松野元「推論 トリプルメルトダウン ー原子炉主任技術者が福島第一原発の事故原因を探るー」や烏賀陽弘道「福島第一原発 メルトダウンまでの50年」において紹介されている「ブラウンズフェリー原発火災事故に対するオークリッジ国立研究所の報告書NUREG/CR-2182」は「Stathion Blackout at Browns Ferry Unit One-Accident Seqence Analysis」にて閲覧できる。

 8頁には「 Immediately following the inception of the Station Blackout, the core water void collapse caused by both the scram and the pressure increase following MSIV closure would result in a rapid drop in reactor vessel water level. 」(スクラム停止とMSIV閉によりボイドの崩壊により水位が急速に低下する)。

 「Standard Browns Ferry Emergency Operating Instructions for immediate action following reactor scram and MSIV closure call for the operator to manually initiate both the HPCI and the RCIC systems.」

(ブラウンズフェリーの手順書では運転員に手動でHPCIとRCICの両方のシステムを起動することを求めている)。

 などの記述がある。

  福島第一1号機にはRCICは設置されていないのであるからHPCIの起動がまず求められるし,スクラム停止時にSRV弁よりも先にICが起動する設定変更との整合性や手順書の整備・周知徹底,フェールセーフ機能の位置付けなどについて検討が必要であった。2号機・3号機についてはスラム停止直後に一目散にRCICのみを手動起動する運用がどのような経緯で始まったのか検討が必要である。