- 「電気事業法40条に基づく規制権限を行使して、津波による本件発電所の事故を防ぐための『適切な措置を講ずること』を東京電力に義務付けていた場合」
⇒ 「本件長期評価に基づいて想定される最大の津波が本件発電所に到来しても本件敷地への海水の浸入を防ぐことができるように設計された防潮堤等を設置するという措置」が講じられた「蓋然性が高い」
? 電気事業法40条以外の規制権限が行使された場合は?
電気事業法106条に基づく暫定措置の報告徴収の指示
炉規法の保安規定変更命令
行政指導
- 「経済産業大臣が上記の規制権限を行使していた場合」
⇒ 「本件試算津波と同じ規模の津波による本件敷地の浸水を防ぐ
ことができるように設計された防潮堤等を設置するという措置」が
講じられた「蓋然性が高い」
? 「本件試算津波」が対策を検討する際にも「合理的」か?
- 「本件事故以前に経済産業大臣が上記の規制権限を行使していた場合」
⇒ 本件試算津波と同じ規模の津波による本件敷地の浸水を防ぐ
ことができるように設計された防潮堤等を設置するという措置に
加えて「他の対策」が講じられた「蓋然性がある」とか、そのような
対策が講じられなければならなかったということはできない。
※ 水密化等の否定(「蓋然性」の否定)による「防潮堤のみ」論の
「蓋然性」まで肯定
? 水密化等の措置も採られた「(高い)(相当程度の)可能性」までは否定していない?
- 「本件試算津波と同じ規模の津波による本件敷地の浸水を防ぐことができるものとして設計される防潮堤等」
⇒「本件敷地の南東側からの海水の浸入を防ぐことに主眼を置いた
もの」となる「可能性が高く」
※ 「蓋然性」ではなく「高い可能性」(反証だからか)
※ 因果関係を肯定するには東側からの海水の侵入を防ぐ措置も
同時に講じられた「蓋然性」の立証が必要か?
? 技術基準適合確認・地元了解を得られた「高い可能性」も必要ではないか?
- 一定の裕度を有するように設計されるであろうことを考慮しても、「本件津波の到来に伴って大量の海水が本件敷地に浸入することを防ぐことができるものにはならなかった」「可能性が高い」
※ 「蓋然性」ではなく「高い可能性」(反証だからか)
※ 因果関係 を肯定するには(南側主眼防潮堤によっても),大量
の海水が本件敷地に侵入することを防ぐことができるものになっ
た「蓋然性」の立証が必要か?
- 「経済産業大臣が、本件長期評価を前提に、電気事業法 40条に基づく規制権限を行使して、津波による本件発電所の事故を防ぐための適切な措置を講ずることを東京電力に義務付け、東京電力がその義務を履行」
⇒ 「本件津波の到来に伴って大量の海水が本件敷地に浸入する
ことは避けられなかった」「可能性が高く」
※ 「高い可能性」の肯定(反証だからか)
⇒「その大量の海水が主要建屋の中に浸入し、本件非常用電源設
備が浸水」
⇒ 「その機能を失うなどして本件各原子炉施設が電源
喪失の事態に陥り、本件事故と同様の事故が発生するに至ってい
た」「可能性が相当にある」
※「相当程度の可能性」の肯定(「高い可能性」までは認めていな
い?)
? 規制権限を行使した場合に,電源喪失の事態にまでが陥らず,
本件事故と同様の事故までは発生しなかった「可能性」も「相当程
度」あるのではないかか?
【メモ】
・電気事業法40条に基づく規制権限以外の規制権限を行使した場合はどうか?(前提として,電気事業法40条以外の規制権限行使が義務付けられたか)
・ 防潮堤等となった「蓋然性」はあるとして,水密化等の「蓋然性はない」とまでされていることを覆すことが出来るか。
・防潮堤は「南側主眼」となった「可能性が高い」(蓋然性よりは弱い)
・本件津波による大量の海水流入の「可能性が高い」(蓋然性よりは弱い)
・大量の海水流入により電源喪失の状態に陥り同様の事故となった「可能性が相当にある」(高い可能性より更に弱い)
? 規制権限を行使した場合に,本件事故と同様にまではならなかった「可能性も相当にある」と言えないか?