原子力安全保安院平成15年11月14「実用発電用原子炉及びその附属設備に係る定期検査執務要領」では「定期検査の対象となる実用発電用原子炉及びその附属設備は、電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第77号。以下「規則」という。)第90条に規定する原子炉本体、原子炉冷却系統設備、計測制御系統設備、燃料設備、放射線管理設備、廃棄設備、原子炉格納施設及び非常用予備発電装置設備のうち、 重要度の高い安全機能を有する構築物、系統又は機器(注3)であって、法第47条の工事計画認可及び法第48条の工事計画届出の対象となるものとする」とされている。

定期検査の対象には「原子炉補機冷却系機能検査」「残留熱除去系ポンプ分解検査」もある。原子炉補機冷却系も残留熱除去系ポンプも原子炉及びその附属設備のうち重要度の高い安全機能を有する構造物,系統又は機器に位置づけられていることがわかる。


「当院は、規則第90条の2第1号から第4号までに掲げる事項について技術基準を満たすものと判断した場合には、同条第5号に掲げる事項について定期検査を行い、この結果、原子炉施設の総合的な性能に問題がないものと、 当院が判断した場合には、申請のあった定期検査を終了することとし、添付-6の様式の定期検査終了証を当該設置者に交付することとする 」とある。
技術基準に適合しない場合に終了証を交付することは許されない。

福島第一では3.11の当時定期点検中であった4号機の4メートル盤上のポンプが取り外されていた。4メートル盤上のポンプは技術基準の適合性を確認することを要する重要な原子炉施設と位置付けられていたのである(当然のことであるが)。