福島第一1号機の設置許可変更申請書によると,「ヘ 計測制御系統施設の構造設備」「(イ)計装」「(2)その他の主要な計装の種類」として「原子炉水位,原子炉圧力・・・などの計装装置が設けられる」とある。また「(ロ)安全保護回路」「(1)原子炉停止回路の種類」として「原子炉圧力高」がある。
また「(2)その他の主要な安全保護回路の種類」「a 補助保護機能」として「ⅲ)原子炉圧力高の信号による非常用復水器の作動」がある。
安全保護回路の概要図によると「原子炉圧力高」により,「原子炉スクラム」と「非常用復水器始動」が作動すると読める。この「原子炉圧力高」に違い(圧力差)は設けられていない。同じ圧力で,同時に起動するように読める。「原子炉水位低」と「原子炉水位異常低」のような区別はない(原子炉水位にはL-3,L-2,L-1などがある)。
原子炉圧力検出器についての記載は本文には見当たらず,原子炉スクラムの原子炉圧力高に用いられる検出器と,非常用復水器に用いられる検出器が同じなのか,違うのか,あるいは作動条件に差が出るように設定されているのかもわからない。
もっとも平成22年までは,同じ圧力(7.27MPa)が原子炉圧力高の設定値とされていた。これを平成22年の設定値変更工事の際に,スクラム停止は,7.07MPa,ICは7.13MPaに分けて変更したとのことである。その際に,新たな検出器を設置したのか,従来の検出器の設定をそれぞれ変更したのか,変更工事の内容がわからない。
しかし,設置変更許可申請書では,同一の安全保護回路である「原子炉圧力高」がスクラム停止と非常用復水器の作動条件とされており,これを分けるのであれば,本文の変更として新たな設置変更許可申請が必要ではないか,また電気事業法施行規則別表第二の「計測制御系統設備」の「計測装置に係るもの」の改造として少なくとも工事計画の届出が必要であったのではないか(詳しい方教えてください)。
なお,近時,緊急停止失敗時(ATWS)の緩和設備として代替制御棒挿入機能が追加されているようであるが,その際には,スクラム停止における「原子炉圧力高」よりは高い圧力の設定値での作動信号(SRVよりは低い)が設けられているようである。その際には検出器が新たに追加されているようである。
□女川原子力発電所第2号機 工事計画審査資料 工学的安全施設等の起動(作動)信号の設定値の根拠に関する説明書(2021年3月 東北電力株式会社)