我が国のシビアアクシデント対応の規制上の取扱いについて ―シビアアクシデント対応検討会(NISA,JNES)の中間とりまとめ―

 

 平成22年4月にとりまとめたシビアアクシデント対策の規制要件化に関する中間報告書 pdfファイルダウンロード:別ウィンドウで開きます

 

平成22年4月頃、IAEAなどSAについての国際基準を反映させるためシビアアクシデント対策の規制要件化が検討されていた。もっとも関要件化することで、基準に満たない既設炉について行政訴訟のリスクがあることにどのように対応するかに腐心されている。安全確保よりも、既設炉の敗訴リスクに目配せして規制の要否を検討するという哲学がここにも表れている。安全基準が先に定立されるのではなく、既設炉にいかに対策をしないで済むかを前提に規制の要否を考えるのである。また対策を要する場合も、先に内部的に対策を行わせて基準を満たすようにしてから規制要件化するのである(それまでは先送りをする)。

 

以下、一部抜粋する。

 

<前略>

 

4.我が国のSA対応の規制上の位置づけ

 原子炉等規制法等に基づく原子炉設置の許認可は、設備や運転に対して、「災害の防止上支障のないもの」かどうかを判断している。この判断基準は、例えば基本設計段階では、設計基準事象(DBA)を想定し、DBAが発生しても安全が確保されることを解析・評価している。

 一方、SAはDBAを大幅に越える領域の事象であり、SA を法令により規制することは、従来の判断レベルを大幅に超え る事象に対して、「災害の防止上支障のないもの」か否かを判断することとな り、既に許認可を受けた原子炉(既存炉)の安全性の優劣に疑義が生じ、基本設計の妥当性が争われる行政訴訟上の問題が生じる可能性がある。

 原子炉施設の安全確保については不断の努力として更なる向上を目指し、事業者において積極的な対応をとることは重要ではあるが、規制としてどのように要求するかは課題である。

 

<中略>

 

(2)規制の方針の検討

 従来から実施している AM に加えて、今回 SA 対応として規制への導入を検討 している AM/SA は、AM 整備のピンク色の領域と、設計対応の紫色の領域である。

 「規制」については、罰則を伴う本来の規制の他に、規制機関が事業者の活動に行政指導として関与する場合も含む広い意味で使用するが、SA 対応の規制方針については、罰則を有する強制力の強い規制から、行政指導までの幅広い手法を検討対象としたところである。

 これらの対応策としては大きく

①原子炉等規制法等にて規制要件化(横に伸びる白い矢印)に従って規定化するもの。

②従来からの自主保安の延長とし規制するもの。

③今回のAM/SA が格納容器破損をさせることを強く意識したものであることから、原子力災害対策特別措置 法(原災法)により規定するもの、以上3つの方策が考えられる。

それぞれの案に対して比較検討のポイントを列記する

 

<A 案>

 原子炉等規制法の活用 ・現在の原子炉等規制法等の法令に基づく安全は、「災害の防止上支障がないこ と」がミニマム要求。現時点では、この安全レベルは、設置許可以降の各種規 制により達成されている。(と言えなければならない。)

・したがって、規制化のためには、「新たな知見があり、災害の防止上支障がないことを確実にするために原子炉等規制法による規制としたい。」というネタ仕込みが必要。(このような理由は、作成可能と思われる。)

・当然、平成4年以降の原子力安全委員会の見解を変更させることが必要になる。

・今回の見直しが国際的なハーモナイゼーションを確保することも目的である ので、規制レベルは基本的に IAEA 基準を満たすものでなければ意味がない。

・この場合の問題点は、既存炉に対する対応。「災害の防止上支障がない」ことを確認するために必要と言うことになるので、何らかの対応は避けられない。既存炉が既存炉用の IAEA 基準に満たしうるのか要検討。

・もし、既存炉が IAEA 基準のレベルを満たしていると判断できれば、この案は有望な選択肢。

・もし、既存炉が IAEA基準のレベルを満たしていないと判断されれば、適合のための猶予期間を設けることになる。

・ 事業者のSA対応状況の確認は、基本設計段階(設置許可審査)、詳細設計段階(工事計画審査、使用前検査、技術基準)、運転管理段階(保安規定)と、 既存の法令を活用して確認することになる。

 

<以下、略>